はじめに
この記事では、飯島司氏の著書『「健康に良い」はウソだらけ 科学的根拠が解き明かす真実』から、健康に関する一般的な誤解と、それらがなぜ間違っているのかを科学的に紹介しているものです。健康情報が氾濫する中で、どの情報が本当に正しいのかを見極めることは難しいですが、この本の内容を通じて、より健康的で証拠に基づいた生活習慣を身に付けるために一緒に見ていきましょう!
健康習慣に関する一般的な誤解
過剰なサプリメント摂取の誤り
多くの人が、特定の栄養素を多く摂取すれば健康に良いと信じています。例えば:
- コラーゲンで肌がプルプルになる
- グルコサミンで関節が健康になる
- カルシウムで骨が強くなる
- β-カロテンで健康が増進する
これらの信念は、自動車工場に原料を大量に運び込むだけで車の生産が増えると考えるのと同じように誤ったものです。実際には、機械や労働力がなければ生産は増えません。
エビデンスに基づいた健康情報の重要性
多くの健康情報の中から正しい情報を見極めるためには、エビデンスに基づいた情報を確認することが大切です。健康情報を評価する際には、以下を確認しましょう。
- 一次情報や研究論文への言及があるか
- 明確な出典や参考文献が示されているか
一般的な健康神話の誤りを見ていきましょう
神話1: サプリメントでバランスの取れた食事を代替できる
多くの人が、サプリメントで食事から得られる栄養を補えると考えています。しかし、研究によると:
- β-カロテンのサプリメント: 高用量のβ-カロテンは、喫煙者において肺がんリスクを高めることが示されています。
- 野菜の摂取: 緑黄色野菜を含む自然の形での摂取がはるかに有益です。自然食品中の栄養素は他の成分と協調して働きます。
神話2: 厳格な塩分摂取基準
様々な健康団体が異なる塩分摂取基準を設けています。例えば:
- 日本の厚生労働省は男性8g、女性7gを推奨
- 日本高血圧学会は6g未満
- 世界保健機関(WHO)は5g未満
著者は、1日あたりの基準よりも「生涯を通じた塩分摂取の削減」が重要だと指摘しています。長期間にわたる過剰な塩分摂取は、高血圧や関連疾患のリスクを高めます。
神話3: 低脂肪食
過去には脂肪が悪者とされていましたが、実際には脂肪は健康に不可欠です。効果的なダイエット法には以下があります:
- 低炭水化物ダイエット
- 地中海式ダイエット
これらの方法は、脂肪をカットするのではなく、健康的な脂肪を積極的に摂取することを推奨しています。
有害なサプリメント: トップ5
1. マルチビタミン
マルチビタミンは便利に必要なビタミンを摂取できるとされていますが、研究によると:
- 健康への効果なし: ミネソタ大学の研究では、マルチビタミンを摂取する人の死亡率がわずかに高いことが示されています。
2. コラーゲン
コラーゲンは肌に良いとされていますが:
- 直接の効果なし: コラーゲンは体内でアミノ酸に分解され、皮膚に特化して効果を発揮するわけではありません。
3. グルコサミンとコンドロイチン
これらは関節の健康に良いとされていますが、研究では:
- 効果なし: グルコサミンやコンドロイチンの摂取は関節痛の改善に寄与しないことが示されています。
4. カルシウム
骨を強化するためにカルシウムが推奨されていますが:
- 骨折リスクの低減なし: カルシウム摂取は骨折リスクを減少させないことが研究で示されています。過剰摂取はむしろ死亡率を高める可能性があります。
5. EPA/DHA
これらのオメガ3脂肪酸は健康に良いとされていますが:
- サプリメントの効果は限定的: サプリメントとしての摂取は心疾患リスクを大幅に減らすわけではありません。
まとめ
健康情報を理解する際には、科学的根拠に基づいた情報を重視することが重要です。多くの一般的な健康信念や習慣、特にサプリメントに関するものは、強固な証拠に裏付けられていないことが多いです。サプリメントに頼るのではなく、「バランスの取れた食事や自然食品の摂取」を心がけましょう。塩分摂取を生涯にわたって減らし、健康的な脂肪を取り入れることも重要です。健康情報を精査し、信頼できる情報源を確認する習慣を身につけましょう。