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開発計画書とは何か?:ITプロジェクトの成功へのロードマップ

 ITプロジェクトを成功に導くためには、その計画と実行が鍵を握ります。その心臓部とも言えるのが「開発計画書」です。このドキュメントは、プロジェクトの目標、スコープ、スケジュール、資源など、実施に必要なすべての要素を網羅しています。では、具体的に開発計画書には何が含まれるのでしょうか?順を追ってみていきましょう!

0.初めに開発計画書について

 開発計画書は、主に下記に示すような章立てで全体が構成され、それぞれの章には特定の内容が含まれています。この構成はプロジェクトの全体像を理解するために重要な役割を果たします。例えば各開発フェーズ、テストフェーズにどのようの観点で開発を進めればいいのか、 テスト項目に漏れがないのかを開発計画書に照らし合わせて確認することができます。そのようにすることによってプロジェクト活動として本来実施すべき内容を漏らさずに遂行することができるのです。

1. プロジェクト概要

プロジェクト概要は、そのプロジェクトが何を目指しているのか、どのような目標を持っているのかを明確にします。ここでは、プロジェクトの目的と目標、実施範囲、プロジェクトの期間、そして納品物について具体的に記述されます。これにより、プロジェクトの全体像が明確になります。

  • 1.1 プロジェクト化の目的 / プロジェクトの目標: プロジェクトが目指すゴールとその目的を説明します。
  • 1.2 プロジェクトの実施範囲 / プロジェクトの範囲外: 実施される範囲とプロジェクトの範囲外の事項について記載します。
  • 1.3 プロジェクトの実施期間: プロジェクトのスケジュール、各工程の実施期間を示します。
  • 1.4 納品物: 各工程での納品物について説明します。

2. 開発概要

開発概要セクションでは、プロジェクトを実施する上での前提条件や制約、主要機能、非機能要件、外部システムとの連携、そして移行・リリース戦略について詳細に説明します。これらの情報は、プロジェクトの具体的な「やり方」を定義するものです。

  • 2.1 前提条件・制約条件: プロジェクトの前提条件と制約事項を説明します。
  • 2.2 主要機能: 開発されるシステムの主要機能やシステム概念図に関する情報を提供します。
  • 2.3 非機能要件を基にした設計概要: 非機能要件に基づく設計概要について記述します。
  • 2.4 他社システムとの関係 / EUCの影響: 外部システムとの連携や影響について説明します。
  • 2.5 移行・リリース: 移行とリリースの方針、時期、方法、体制について説明します。
  • 2.6 本番運用方針 / 運用部門への引継内容: 本番運用に関する方針と運用部門への引継ぎ内容について記述します。

3. スケジュール / 開発管理計画

このセクションでは、プロジェクトのスケジュールと管理計画が詳述されます。全体のタイムライン、重要なマイルストーン、各工程の品質目標、進捗管理の方法など、プロジェクトを時間通りに、かつ高品質で完了させるための計画が含まれます。

  • 3.1 全体スケジュール / 確認ポイント: プロジェクト全体のスケジュールと重要な確認ポイント。
  • 3.2 工程の終了条件 / 品質目標: 各工程の終了条件と品質目標について記述します。
  • 3.3 工程計画: 各工程で必要な成果物について記載します。
  • 3.4 進捗管理: 進捗管理のための会議や報告体制について説明します。
  • 3.5 開発の生産性: 生産性の計画値、ベンチマークとの乖離分析、生産性向上施策について記述します。

4. 開発方法

開発方法では、プロジェクトで採用される具体的な開発手法やルール、テスト計画、外部委託の管理方法について記載されます。このセクションは、プロジェクトチームがどのようにして開発活動を進めるかについてのガイドラインを提供します。

  • 4.1 開発作業遂行上の遵守ルール: 開発で遵守すべきルールについて記述します。
  • 4.2 開発手法 / 開発成果物の構成管理方法: 採用する開発手法と成果物の構成管理方法について説明します。
  • 4.3 テスト概要: テストの方針と各工程毎のテスト概要について記述します。
  • 4.4 開発/テスト環境の準備・ファシリティの整備: テスト環境の準備やファシリティの整備について記載します。
  • 4.5 外部委託管理: 外部委託の管理方法について説明します。

5. 資源 / プロジェクト体制

プロジェクトを実行するために必要な人的資源、物的資源、およびプロジェクト管理体制に関する情報がこのセクションで説明されます。プロジェクトチームの構成、役割分担、必要な設備やソフトウェアなどが具体的に記載されます。

  • 5.1 開発体力 / 投資額: プロジェクトの規模と投資額について記述します。
  • 5.2 要員計画: プロジェクトに関わる人員の計画について記述します。
  • 5.3 必要資源: 必要なハードウェア・ソフトウェア一覧について記述します。
  • 5.4 プロジェクト体制: プロジェクトの管理体制や役割分担について説明します。
  • 5.5 顧客所有物: プロジェクトに必要な顧客の所有物について記述します。

6. コンティンジェンシープラン整備計画

プロジェクト実施中に想定外の事態が発生した場合の対応計画、いわゆるコンティンジェンシープランについて説明します。想定されるリスク、緊急時の対応ドキュメント、テストや訓練の計画などが含まれます。

7. 想定されるリスクとその対応方針

プロジェクトを取り巻くリスクと、それらに対する対応策について詳細に記述されます。このセクションは、プロジェクト管理者がリスクを適切に管理し、計画通りにプロジェクトを進めるための重要な指針を提供します。

8. 課題(未確定事項)

プロジェクトの計画段階で明らかになっている未解決の課題や未確定の事項について記載されます。これにより、プロジェクトチームはこれらの課題に対処するための計画を立てることができます。

9. その他

プロジェクトに関連するその他の情報がここに記載されます。このセクションは、上記のカテゴリには当てはまらないが、プロジェクトの実施に影響を与える可能性のある情報を提供します。

まとめると開発計画書は、
  
ITプロジェクトを成功に導くためのコンパスのような存在
です。
 このドキュメントを通じて、プロジェクトチームは目標に向かって効率的に進むための明確な道筋を持つことができます。プロジェクトの計画、実行、監視、制御、終了まで、開発計画書はプロジェクトマネージャー(プロジェクトリーダ)とチームにとって不可欠なガイドとなります。

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