はじめに
多くの人が日々の忙しさに追われ、自分の時間をうまく管理できずにいる現代。UCLAアンダーソン経営大学院の教授であるキャシー・ホームズ氏は、時間の使い方と幸福度の関係性について深く研究しています。本記事では、ホームズ教授の提唱する時間管理のメソッドを紹介し、どのようにすれば充実した人生を送ることができるのかを探ります。
1. 幸福と時間の関係
幸福感と時間の関係について、見ていきましょう。
- 幸福度は遺伝が5割、環境が1割、行動習慣が4割で決まるとされています。
- 幸福感は仕事のパフォーマンス向上、メンタルの強化、人間関係の改善など、人生のあらゆる面でプラスの影響をもたらします。
2. 自由時間の最適な使い方
日々忙しい生活をしている方は多いかと思いますが、自由な時間はどれくらいが最適なのだろうか? この本では最適な自由時間は下記のように記してあります。
- 自分の時間は1日に「2時間から5時間」が最適とされています。これ以下でも以上でも、人生の満足度は下がるとのことです。
- 忙しすぎず、かといって暇すぎない、バランスの取れた時間の使い方が幸福につながります。
3. 幸福を感じる時間の過ごし方
この本では、「幸福を感じる時間」の過ごし方について下記の3つについて紹介しています。
- 人と過ごす時間
- 外に出る
- 没頭する
人と過ごす時間
「親しい人と過ごす時間」は、幸福感を大きく高める重要な要素です。
人間は社会的な生き物であり、家族や友人、恋人などとの良好な関係は心の充足感に直結します。共感や理解、愛情といったポジティブな感情は、他者とのつながりから生まれることが多く、これらは幸福感を大いに高めるものです。また、大切な人との楽しい体験や心温まる会話は、記憶に長く残り、後々まで幸福感を呼び起こすことがあります。
外に出る
「自然の中や屋外で過ごす時間」も、幸福感を高める効果があります。日光を浴びることでビタミンDが生成され、気分を高める効果があるほか、自然の中で過ごすことはストレスの軽減につながります。また、外に出ることで新たな発見があったり、日常からの脱却を感じることができるため、気分転換にもなります。公園を散歩する、庭いじりをする、アウトドアスポーツに参加するなど、屋外での活動は幸福感を感じるための素晴らしい方法です。
没頭する
「何かに没頭する体験」は、幸福感を感じるための重要な要素の一つです。これは「フロー体験」とも呼ばれ、活動に完全に集中し、時間や自我を忘れるほどの状態になることが特徴です。趣味、スポーツ、仕事、芸術活動など、自分が夢中になれることに時間を費やすことで、このような状態を経験することができます。没頭することで得られる達成感や充足感は、幸福感を大きく高めることができます。
4. 幸せではない時間の使い方
またこの本では、「幸せではない時間」の過ごし方について下記の3つについて記しています。
- 孤独な時間
- やらされている感じのする時間
- 無意味だと感じる活動
一つずつ見ていきたいと思います。
孤独な時間
人は基本的に社会的な生き物であり、他者との関わり合いの中で多くの満足感を得ます。一方で、適度な一人の時間は自己反省や趣味に没頭するために重要ですが、孤独が長期化すると、それは人の心理的な幸福感を損なう要因となり得ます。孤独は感じる人によってストレスの源となり、うつ病や不安障害などのメンタルヘルスの問題を引き起こすリスクを高めます。特に、社会的な支援ネットワークが不足していると感じる場合、孤独感はより強く体験されることがあります。
やらされている感じのする時間
人が自主性を感じられない活動、つまり「やらされている」と感じる活動に時間を費やす場合、その満足度は大きく下がります。この感覚は、職場での仕事、学校の課題、家庭での家事など、外部から課された義務や責任に起因することが多いです。人は自己決定を尊重され、自分の行動の選択に一定の自由を持っていると感じる時、よりポジティブな結果と感情を経験します。一方で、選択の自由がないと感じると、不満やストレスが生じ、幸福感が損なわれるのです。
無意味だと感じる活動
「人生の目的や意味を見出せない活動に時間」を費やしていると感じる時、人々は幸福感を低下させます。これは、仕事や日々のルーティン、ソーシャルメディアの過剰な使用など、個人が価値を見出せないと感じるあらゆる活動に該当します。特に、目の前の活動が自分の価値観や長期的な目標と合致していないと感じる時、その活動は無意味に感じられ、結果として不満足や不幸感を引き起こします。
これらの時間の使い方は、個人の幸福感を低下させる主要な原因となります。幸福感を高めるためには、これらの状況を避け、より意味のある、充実した時間の使い方を心がけることが重要です。
最後のまとめ
キャシー・ホームズ教授の指摘する通り、時間の使い方一つで人生の質は大きく変わります。自分の時間をどのように使うか、意識的に選択することが重要です。忙しい毎日の中でも、幸福を感じる時間を作り出すことができれば、より充実した人生を送れます。幸せな時間の使い方を見つめ直し、質の高い生活を目指していければいいですね。